「シン・レンタルサーバー」と「エックスサーバー」。
同じベースとなるシステムを使っている2つのレンタルサーバーで、今回はこれらの違いを紹介していきます。
結論から言うと、大まかには以下のような違いがありますが、その他はあまり違いが見られませんでした。
- シン・レンタルサーバーは新技術やスピード、コスパ重視
- エックスサーバーは安定性重視
また、私は両方とも契約しているため、その感想もお伝えします。
何を重視するかによって選ぶべきサーバーも変わってくるので、それも紹介しましょう。
シン・レンタルサーバー VS エックスサーバー 徹底比較!
今回は、以下の項目について比較を行いました。
- プランと料金
- サーバー基本性能
- 各種サポート
- サーバー処理速度
- 公式による両者の違い
- 特定コンテンツの取り扱い可否
それぞれ、詳細を見ていきましょう。
プランと料金
1つ目の比較対象はプランとそれぞれの料金です。
シン・レンタルサーバーとエックスサーバーは、基本的にプラン名が同じに設定されています。
基本的に、同じプランであれば契約期間が長ければ長いほど料金が安くなるのは両者とも同じ。
今回は、両者ともに各プランが最安となる36ヶ月更新の場合で比較しましょう。
それぞれの1ヶ月あたりの金額は以下の通り。
プラン名 | シン・レンタルサーバー | エックスサーバー |
---|---|---|
ベーシック | \770/月 | – |
スタンダード | \1,540/月 | \990/月 |
プレミアム | \3,080/月 | \1,980/月 |
ビジネス | \6,160/月 | \3,960/月 |
シン・レンタルサーバーの方が1段階細かいプランが用意されています。
料金は互い違いのようになっていて、同じ金額のプランはありません。
ちなみに、シン・レンタルサーバーではリザーブドプランという、各種リソースの最低ラインを保証するプランもあります。
が、厳密にはエックスサーバーの各プランもこの形になっています。
この詳細は、また後ほど確認していきましょう。
サーバー基本性能
次にサーバーの基本性能ですが、両者ともプランによって変わってきます。
そこで、同じ性能が提供されているプラン料金で比較することにしましょう。
というわけで、まずはシン・レンタルサーバーから、各プランにおける性能は以下の通り。
性能項目 | ベーシック | スタンダード | プレミアム | ビジネス |
---|---|---|---|---|
vCPU | 6コア | 8コア | 10コア | 12コア |
メモリ | 8GB | 12GB | 16GB | 20GB |
ストレージ | NVMe SSD | NVMe SSD | NVMe SSD | NVMe SSD |
ストレージ容量 | 300GB | 400GB | 500GB | 600GB |
次に、エックスサーバーの各プランにおける性能を見ていきますが、1点注意です。
シン・レンタルサーバーは上の表のスペックを持ったレンタルサーバーを借りる形です。
それに対し、エックスサーバーのvCPUとメモリは以下の表が最大ではありません。
このスペックを保証するよ、というリソース保証値になります。
これが、上で少し触れたシン・レンタルサーバーのリザーブドプランと同じことの意味です。
最大はプランによらずvCPUが128コアのメモリが1024GB。
そのうち、安定して使えるスペックが以下だという観点で見るようにしましょう。
性能項目 | スタンダード | プレミアム | ビジネス |
---|---|---|---|
vCPU | 6コア | 8コア | 10コア |
メモリ | 8GB | 12GB | 16GB |
ストレージ | NVMe SSD | NVMe SSD | NVMe SSD |
ストレージ容量 | 300GB | 400GB | 500GB |
これらを比較すると、両者のサーバー性能は以下のように対応していることが分かります。
- シン・レンタルサーバーの「ベーシック」=エックスサーバーの「スタンダード」
- シン・レンタルサーバーの「スタンダード」=エックスサーバーの「プレミアム」
- シン・レンタルサーバーの「プレミアム」=エックスサーバーの「ビジネス」
これらの金額は、どれを比較してもシン・レンタルサーバーの方が安いです。
そのため、単純な保証スペックで見ると、シン・レンタルサーバーに軍配が上がります。
ちなみに、シン・レンタルサーバーをリザーブドプランにすると、保証されるスペックの数字も変わってきます。
また、同じ程度のスペックで見た時、エックスサーバーの方が安いことの方が多いです。
各種サポート
単にサーバーの性能だけでなく、レンタルサーバーを借りる時はどんなサポートがあるのかも気になるところ。
それも、主要なものを比較していきましょう。
サポート内容 | シン・レンタルサーバー | エックスサーバー |
---|---|---|
独自ドメイン永久無料特典 | ○ | ○ |
独自ドメイン1年無料特典 | ○ | ○ |
転送量課金 | なし | なし |
無料独自SSL | ○ | ○ |
データベース | MySQL、MariaDB:無制限 SQLite:利用可能 | MySQL、MariaDB:無制限 SQLite:利用可能 |
マルチドメイン | 無制限 | 無制限 |
サブドメイン | 無制限 | 無制限 |
メール/電話サポート | ○ | ○ |
WordPress簡単インストール | ○ | ○ |
WordPress簡単移行 | ○ | ○ |
自動バックアップ | ○ | ○ |
やはり同じシステムを使用していることもあり、サポート範囲もかなり近いです。
特に、今回挙げた項目に差は見られませんでした。
後でも少し触れますが、これだけ内容が近いため、記事の趣旨は外れるものの一方から他方への乗り換えは非常にしやすいです。
また、2つ目のレンタルサーバー契約を考えている場合でも、この2つの組み合わせはかなりオススメできます。
サーバー処理速度
レンタルサーバーを使うとなると、気になるのはその処理速度でしょう。
特に、当ブログでも使っているWordPressを目的としている場合が多いと思います。
そこで、両者の公式サイトに記載されている秒間リクエスト数は以下のようになっています。
- シン・レンタルサーバー:777.676
- エックスサーバー:576.62
これらはともに各社の最低プランでの数字となっていて、シン・レンタルサーバーの方が優れていることが分かります。
公式による両者の違い:コスパか、安定性か
ここまで見てきて、同じスペックに対する料金、サーバー処理速度でわずかにシン・レンタルサーバーの方が優れていることが分かりました。
では他にどんな違いがあるか、その1つがシン・レンタルサーバーの公式に書かれていました。
「シン・レンタルサーバー」は安さと革新性、「エックスサーバー」は安定性に重点を置いたサービスです。
「シン・レンタルサーバー」では、新機能の迅速な導入やコスパを重視する一方、「エックスサーバー」では、安定性や充実したサポート体制を重視しています。
新世代レンタルサーバー『シン・レンタルサーバー』
ようは、運営の方針に違いがあります。
- シン・レンタルサーバーは新しいものを導入したり、コスパを追求する
- エックスサーバーは安定性やサポートなど、確実性を重視する
このようになっているので、自分がどちらを追求したいか、考えてみるといいでしょう。
アダルトコンテンツの取り扱い可否
そのほかですが、1つ明確に異なる点がありました。
エックスサーバーではアダルトコンテンツの取り扱いが基本NGですが、シン・レンタルサーバーでは法令の範囲内で取り扱いOKです。
もしアダルトコンテンツを掲載したい場合、この二者であれば自動的にシン・レンタルサーバーを使うことになるので、そのつもりの方は覚えておきましょう。
両者を実際に使ってみた感想
さて、私はシン・レンタルサーバー、エックスサーバー両方を契約しています。
シン・レンタルサーバーは契約したばかりなので、操作感での感想を書いていきます。
正直言ってしまうと、違いはほとんど感じられません。
やはり同じベースを使っているだけあり、管理パネルもほぼ全く同じ見た目、操作感です。
ちょっと本記事の趣旨とはズレますが、すでに片方を使っているところから、さらにレンタルサーバーを借りたい場合はもう片方にすることを強くオススメしたいところ。
今後長く運営したりアクセスが増えてきたりすると違いが現れるかもしれませんが、最初であればそこまで神経質になる必要はないでしょう。
シン・レンタルサーバー VS エックスサーバー、どっちを選ぶ?
では、上記の内容を元に、この2択とした場合にどう選ぶべきかを考えていきましょう。
まとめると、以下のようになります。
- 知名度、ブランドイメージ、安定性で選ぶならエックスサーバー
- コスパ、処理性能で選ぶならシン・レンタルサーバー
- 扱う内容によってはシン・レンタルサーバー一択の場合も
それぞれ、詳細を見ていきます。
知名度、ブランドイメージ、安定性で選ぶならエックスサーバー
まず、知名度やブランドイメージ、安定性で選ぶなら、エックスサーバーをオススメします。
同じベースを使っているとはいえ、両者のサービス開始日は大きく差があります。
エックスサーバーは2003年7月、シン・レンタルサーバーは2021年5月31日に開始しています。
その差はなんと約18年、それだけ知名度やブランドイメージも変わってくるでしょう。
だからこそのトラブル時などの情報量もエックスサーバーの方が多く、安定した運営がしやすいです。
下で紹介する通りコスパならシン・レンタルサーバーですが、その差は月に数百円程度。
その差程度なら無視できるのであれば、エックスサーバーがオススメです。
コスパ、処理性能で選ぶならシン・レンタルサーバー
次に、単純なコスパや処理性能で選ぶならシン・レンタルサーバーがオススメです。
感想でも書きましたが、ぶっちゃけほぼ違いはないです。
だからこそ、料金が違うのであれば安い方が嬉しいですし、処理速度も速い方がいいでしょう。
細かいところは気にしないから普通に動けばOKという人は、エックスサーバーよりもシン・レンタルサーバーの方がオススメです。
扱う内容によってはシン・レンタルサーバー一択の場合も
違いの最後に挙げた点です。
扱いたいコンテンツがアダルトの場合、そもそもエックスサーバーでは使えず、シン・レンタルサーバーなら使えます。
そのため、自動的にシン・レンタルサーバー一択となるため、気を付けてください。
まとめ:コスパのシン・レンタルサーバー、安定性のエックスサーバー
今回は、シン・レンタルサーバーとエックスサーバーの違いと、それぞれをオススメするタイプを紹介してきました。
結論をもう一度書くと、シン・レンタルサーバーはコスパ重視、エックスサーバーは安定性やブランドイメージなどを重視する人にオススメとなります。
私個人はどちらかというとコスパを重視するタイプなので、シン・レンタルサーバーをオススメします。
自分が何を重視したいか、考えてみてください。
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